レイモンド・ブラウンはヨハネ共同体の歴史に以下の四つの局面を設定している。
(1)共同体が会堂から追放されたヨハネ福音書成立以前の時期(九22、一六2)。
(2)福音書が書かれ、迫害が続いていた時期のヨハネ共同体の生活状況。
(3)ヨハネ書簡が書かれた時期。共同体の一部が「出て行った」。ヨハネの手紙一を著した長老によれば「彼らはもともと仲間ではなかった」(Ⅰヨハ二19)。
(4)ヨハネ書簡が書かれた後の分裂。おそらくその共同体は二世紀のグノーシス主義的グループと合流していく分離主義者と、ヨハネ福音書とヨハネ書簡を携え、成立しつつあった東方教会の流れへと繫がっていく長老のグループに分裂した。
R・アラン・カルペッパー
ヨハネ福音書における「教会」を求めて
(インタープリテイション85号「ヨハネ福音書と教会」)
ヨハネ福音書と教会
第85号 2014年6月
定価2000円+税
0 件のコメント:
コメントを投稿