2014年4月24日木曜日

聖書の朗読と説教 カルヴァン時代の変化



三年サイクルの聖書日課が採用されるまで、少なくとも長老主義教会、合同キリスト教会、合同メソジスト教会の牧師たちが聖書日課をほとんど使っていなかったことを考えると、聖書日課使用の広がりは非常に重要である。

カルヴァンと一六世紀の改革派の人々は中世の聖書日課を捨て去った。

カルヴァンの抵抗が聖書日課という原理そのものに対するものであったのか、彼の知る唯一の聖書日課に対するものであったのかは定かではない(おそらく後者であろうと思われるが)。

 


一年サイクルの中世の聖書日課は聖書の本文を断片に切り刻んでしまい、聖書朗読には連続性がほとんどなかった。いわゆる「年間」と呼ばれる〔特別な祝祭などがない〕期節の日曜日の聖書朗読は場当たり的に選ばれたように見える。

日曜日のミサに旧約聖書が朗読されることはなく、多くの重要な新約聖書テキストも省かれ、また指定された単元の間には明確な関連性を見出せないものだった。

さらに、特別な儀式や聖人の祝日が激増したため、復活の証言としての主の日そのものの影が薄くなりがちであった。

これらの現象がカルヴァンの聖書日課に対する信用を損ねた。

ルターや英国国教会はいくらかの改定をして中世の聖書日課を保持したが、カルヴァンはすべて放棄し、教会暦を徹底的に簡素化したのである。




ジュネーブにおいては週日の説教は旧約聖書から、日曜日には新約聖書からなされていた。

カルヴァンの方式は「レクティオ・コンティヌア」と呼ばれ、聖書の特定の書を直接続けて説教するものであった。

しかし、例外として聖週、復活日、聖霊降臨日、クリスマスなどには、その日に適したテキストから説教し、レクティオ・コンティヌアは中断される。これは現在の『改定共通聖書日課』と大きく異なる方法ではない。


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