2015年9月20日日曜日

90号「年をとるということ」目 次


9月30日 発売開始




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年をとるということ

第90号 2015年9月
定価2000円+税




まえがき





マーガレット・M・ガレット(榊原芙美子・訳)Margaret Morganroth Gullette
知恵と認知症 ―アメリカ社会はこの二者択一に陥ったのか

    社会が生み出してきた「知恵か認知上の不全か」という二分法打をち破るために、著者の母親が九〇代を迎えたときの具体的な状況を描くことが試みられる。アメリカの福祉一般が直面している危機には医療診断や介護上の失敗もあるが、伝統的に老齢と知恵の間にある決定的な結びつきがもたらし続けている問題も小さなものではない。この問題に希望を見出すには、異なる考えに目をやり、年長者に対する尊敬を回復し、知恵が見出されるときにはいつでもそれを認める必要がある。 
     《キーワード》 老人差別、アルツハイマー病、認知不全、協働知能(Collaborative intelligence)、認知症、記憶障害、多重知能、知恵、知恵文学
     


ダグラス・A・ナイト (標珠実・訳)Douglas A. Knight 

ヘブライ語聖書における年齢観
    ヘブライ語聖書において、老いや高齢者について言及しているテクストは古代イスラエルにおける実際の社会経済的背景に照らして理解する必要がある。資料が示すところによれば、当時の寿命は四〇歳前後であり、そのくらいの年齢で老人とみなされ、老いの症状に悩まされていたことが分かる。また、老いの苦痛について描写している周辺文化の文学についても検討する必要がある。
     《キーワード》 老化、老い、ヘブライ語聖書、イスラエル、社会史、古代近東、クムラン、メギド、メロン


ハリー・R・ムーディー/W・アンドリュー・エイケンボーム (吉谷かおる・訳)
Harry R. Moody and W. Andrew Achenbaum
世代を超えた環境倫理に向けて―連帯、持続可能性、管理責任について―
    環境問題の宗教的基礎づけが環境倫理の基礎、すなわち世代を超えた義務と見なされることはほとんどない。ここでは連帯、持続可能性、管理責任という三つの倫理的原則を提示する。これら三つが宗教的に根ざしていることがこれからの世代のためになすべき義務を明らかにしている。「連帯」はまだ生まれていない人間にも人間以外の種にも及ぶ。「持続可能性」は過去と未来の世代との関係から考察される。「管理責任」は地球規模の環境変化を理解し、絶望ではなく希望によってそれに対応する今日の世代に課されている責任の絶対的原理である。
    《キーワード》 高齢化、連帯、持続可能性、管理責任、世代、環境神学、環境

ヘンリー・C・シモンズ (古本みさ・訳)Henry C. Simmons
ケアへの挑戦
    「人生の残り三分の一」におけるケアに対する会衆の期待は教会従事者に課題をもたらしている。寿命が伸び、病死が増加するにつれ、「人生の残り三分の一」という期間は今や長く、複雑なものとなっている。現代における社会および教会の人口動態はケアに対する新しい要求と限界を生み出し、ケアの個人的な要求に応えるのが困難な課題となる教会従事者もいる。ここでは、長期間にわたって持続される会話、信徒間の儀式と経験の分かち合い、「~であるかのように」生きること、政治的なホスピタリティという四つの方策について考えてみる。
    《キーワード》 老い、人口動態、社会、教会、資源、親、ケア、儀式、環境
     
トーマス・リンチ(吉岡誠悦・訳)Thomas Lynch
よい葬儀と「空の墓」
    キリスト教の決定的な真実とは「空の墓」である(ヨハ一九38―42)。それゆえ、キリスト教の神学は終末論や生と死に対する最高の希望によって形成される。したがって「よい葬儀」とは、終末のための演習なのであり、死者の世話をすることによって、どのように生に仕えるかということなのである。  
    《キーワード》 死、葬式、火葬、記念碑、身体、救い、生存者、物語



テクストと説教の間
エレミヤ書31章1─6節 (ケリー・H・ウィン/標珠実・訳)
ヨハネによる福音書20章19─23節 (ケイシー・トンプソン/齋藤百合子・訳)
エフェソの信徒への手紙1章15─23節 (ギャレット・アンドリュー/齋藤百合子・訳)


書評紹介(標珠実、榊原芙美子、吉谷かおる・訳)
ギルバート・メイレンダー著『人は永遠に生きるべきか ―老いに関する倫理的両義性―』
トーマス・G・ロング/トーマス・リンチ著『よい葬儀 ―死、悲しみ、ケアする共同体―』
ドナルド・H・ジュエル著『聖典の想像力を形づくる ―聖書の真実・意味・神学的解釈― 』
マーヴィン・A・スウィーニー著『タナハ ―神学的・批判的ユダヤ教聖書入門―』



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